「逆イールド」とは
「逆イールド」とは、短期金利が長期金利を上回り、イールドカーブ(利回り曲線)が右下がりの曲線になっている状態。
市場関係者が将来的に金利が下がるとみている場合に起こる現象で、一般的に景気後退の兆候として捉えられている。
なぜ「逆イールド」は景気後退期の兆候と考えられているのか?
金利を決定する要因は複数あるが、基本的に、「短期金利」は中央銀行の決定する政策金利に影響を強く受けるのに対し、「長期金利」は市場参加者の将来の見通しに影響される。
一般的に「長期金利」の方が、金利変動による債券価格変動リスク、資金回収までの期間が長いリスク、等のリスクに見合うように高い金利水準になる傾向にある。
しかし、市場が将来の景気後退を予測すると、「短期金利」よりも市場の影響を受けやすい「長期金利」が低下し、逆イールドが発生する。
つまり、逆イールドの発生は、将来の景気後退観測が市場から発せられていることを意味する。
過去に見る「逆イールドと株価」の関係
上図、青線が「長短金利差」で、右目盛り0%を下回った時が「逆イールド」が発生した時だが、過去発生した時には、平均して1~2年後にリセッションが起こっていることが多いことが分かる。
必ずしも「逆イールド」が「リセッション」を招くわけではない。
確かに、過去のデータを見ると逆イールド発生後、数年後にリセッションが起こる可能性が高いが、必ずしもそうなるとは言えない。
インフレ抑制のために急激に利上げを行った結果、政策金利に連動しやすい中短期国債が急上昇し、市場参加者の予想(将来の景気後退観測)が追いつかずに、単に逆イールドが発生したともとれる。
まとめ
過去データから見ると、逆イールドが発生して数年後にリセッションが起こる可能性が高いのは分かるが、必ずしも起こるわけではない。
よって、リスクヘッジを兼ねて現金ポジション比率を多くし、もしリセッションが来ても、逆に絶好の買い時と歓迎できる状態で望むことが肝要な気がする。
いろいろ過去から学べることは多いけど、未来を予測することは誰にもできない。
だからこそ、過去データや人の意見を参考にはすれど、それに流されず、自分が納得行く判断のもと資産運用を進めていきたいものである。
成功するにしても失敗するにしても、自分の納得感が一番重要だと思う。
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